無重力の海で

日記とか絵の制作過程とか好きな歌詞を乗せたり好きな動画紹介したりするだけのブログ。

偶然なんかじゃなく、必然の (おまけ)

久々にパソできたから前のやつのおまけ書いてから歌詞とか書こう。
ちょっとどころか結構腐が入ってます。










・・・・どうしようか。
うしおから話しかけられたと思ったらその一言。
何をどうしようと悩んでいるのか、気になったので聞いてみた。

「なにがどうしようかなんだよ。」

「ん?いやなに、親父達になんて言おうかと思って」

「そういえばそうだな。おめぇが妖になったなんて聞いたら
あの女のほうがめちゃくちゃ怒りそうだしなー」

「んー・・・・めんどくさいから妖になっちまった、でいいか。」

いまさっきまで何のために悩んでいたのかと
聞きたくなるほど早く結論が出たのでちょっと呆けていたが
それでも潮がそれでいいといっているのでいいだろう。
どうせあの母親のほうは妖だろうと息子に変わりないと言うだろうし。
そうときまれば、とうしおがこちらに連れて行くように指示をしてくる。

「あぁ?なんでわしが連れてかなきゃいけねぇんだよ」

「おまえ今さっき俺についてくるっつったろ。
それに俺空飛べねぇから時間かかるだろうがよ」

潮が困っているとイズナが話しかけてきた。

「なんだよとら、うしお連れて行くくらい簡単だろー。
そんなに嫌ならうしおは雷信にお姫様だっこで連れてってもらうからなー」

・・・・なんでお姫様抱っこ?  皆が言いたそうに思っていた事を
うしお自身が言う。

「イズナ、なんで俺を雷信がお姫様抱っこすんだよ?
おんぶとかならまだ分かるけど」

「わかってねぇなうしおっ。おんぶだと後ろに重力が傾くから
遅くなるけど、お姫様抱っこだと前のほうに重力が傾くから
はやくなるんだよ!」

「ふぅん・・・?俺飛べないからよくわかんないけど
そういうモンなのか?雷信」

「えっ・・?はぁ、あの、・・・」

イズナのでたらめの話をきいて分からずうしおが
雷信に訊ねるが雷信はしどろもどろでどう答えていいか分からず
困っている。逆に困らせてどうする。他の奴らが呆れ返る。

「ま、とらが嫌なようじゃしかたねぇか。
雷信、出来たらでいいから送ってもらえるか?」

うしおからの頼みとあらば雷信は喜んで受けるだろう。
案の定まるで今から散歩に連れて行ってもらえると分かった
犬のように顔が笑顔になった。幻覚で耳と尻尾も見えてくる。
鎌鼬なのに。

「はい!私でいいのであれば喜んでお送り致します!!」

すごく嬉しそうなのが気に入らない。つまらないので
悪態をつく。

「けっ、そんなおもてぇガキ運んでたらいくら早くても
雷信の腕が疲れるだろうよ。」

「なっ・・・!重くて悪かったなぁ!!雷信もほんとに嫌なら
断ってもいいぞ?送ってくれるんならありがたいけど・・・」

「いえ!別にうしお様は重くも無いですし、それに
私がしたいからさせてもらうんです。だから大丈夫です!!」

うしおが遠慮がちに言うのに対し雷信はかなりやる気な様子。
それをみて安心したのかうしおはその言葉に甘えて
送ってもらうことにしたようだ。なんだか腹が立った。
だからといって断ったことは別に悪かったと思うわけも無く。

「それじゃ、皆。俺ちょっと家帰るわ。また今度なー!」

「・・ああ、次に来られる時は西の者どもも呼んでおこう。」

「うしお様、またお越し頂く時にはもしかしたら十郎兄さんが
帰ってきているかもしれません。楽しみにしていてくださいねっ!」

「じゃーなー、うしおー!また遊びに行くからなーっ!」

「蒼月、こちらからもたまにはそちらへ伺わせて貰う。」

「へっ、人間にしとくにゃ勿体無かったからな。
妖になったからには歓迎してやらぁ。」

それぞれの別れの言葉を聞いた後、雷信に抱きかかえられた
うしおがこっちへ向けて行ってくる。

「つーわけだ、とらぁ!俺は先に帰っとくぜ!
憑いてくんだったら後からでもいいから来いよぉ!!」

「へんっ。もう少ししたら後追っていくわい。」

それを聞き終えて雷信とうしおははマヨヒガをでて
うしおの家へ向かって出て行った。

「ようよう、とらぁ。さっさと後追わねーのかよぅ。
うしおと雷信イチャイチャしてるの気に食わなかったんだろ?」

「はぁ?別にあのチビが誰といちゃつこうと
わしは構わん。」

「うーそだぁ!別に構わないんならうしおを雷信が
送ろうとしたときわざわざ悪態つかなくてもよかったろうがよ。」

イズナがしつこく絡んでくるのを追っ払おうとしているこちらへ向けて
一鬼が挑発的な視線を送りながら言葉を投げかけてくる。

「イズナ、長飛丸なんか放っておけ。そいつぁ自分が誰に
惚れてるのかすら分からんうつけ者よ。しょうがないだろ。」

一鬼の一言にむかっときた。今なんていった?

「誰が誰に惚れてるって?あぁ?!あんなちび誰が好きになるかよ!!」

つい本心ではなく別のことを言ってしまうのは悲しいことに
そういう性質なのでしょうがない。心の中で思うことは簡単なのに。
とりあえず反論して逃げ出すように雷信とうしおの後を追った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

だいぶいって家まであと少しというくらいの場所に2人はいた。
しかもうしおときたら何やら楽しそうに笑顔で雷信に話しかけている。
その様子だと雷信も笑顔で聞いているのだろう。
自分にはあんな顔ほとんど見せないくせに。
そう思うと余計腹が立ってきた。ので邪魔をしに行く。

「おい雷信!いつまでちんたらやってるんでぇ!
そいつの家はもうそこだろーが!」

雷信に向けて文句を言ったのが悪かったのか
うしおがこちらへむけて怒鳴ってくる。

「とら!そんな言い方ねぇだろ!!おめぇが嫌だっつったから
変わりに雷信がここまで送ってくれたんだぞ!
普通礼を言うくらいしろよな!」

「あん?てめぇが歩いて帰ればよかっただけの話だろ。」

「なにをぉ!?」

「あ、あの!うしお様!別にお礼を言ってほしくてやったんじゃないですし
それにお礼を言われる程の事でもないので。それに
うしお様のお話を聞かせて頂けたのでとても楽しかったですし。」

雷信が怒ったうしおを宥める。そして去ろうとするととらの上に移った
うしおが待ったをかける。

「ちょ、ちょっと待てよ雷信!せっかくここまで送って来てくれたんだし
どうせなら家までついてきてよ!」

「あぁ?んなこといってもおめぇの親父どもがおめぇが妖になった事
認めてくれるかなんてわからねぇじゃねぇかよ?」

「・・・・・・」

その言葉を聞いてすこし頭が垂れた。そうだ。
あいつらは認めてもらえることを前提で言っていたが
それが絶対かと言えばそうともいえない。
いくらうしおの父、母だとしても妖を倒すような職業に就いている。
もしかしたら息子でも妖になってしまったなら倒さなければならない。
そう考えるのが普通ではないのか。
考えているとうしおは何かを吹っ切ったのか顔を上げて
こちらへ向かって話しかけてくる。

「まぁ、もしかしたら認めてくれないかもしれないけど
それでも、俺は信じてるから。」

なぜ親だからといって信じきれるのか。
親でも裏切ることはある。たとえどんなに優しかろうとも。
だがうしお自身がそう信じているのならそれをどうこう言うつもりもない。
雷信を髪で捕まえうしおの家まで飛んでいく。


  ストン。
玄関前に降り立つ。そしてうしおが玄関を開けて中に入ろうとしたとき
急に扉が開きうしおを引っ張った。

「うしお、何処へ行ってたんだ!須磨子が心配していたぞ。
いますぐ母さんに遅くなってごめんなさいと謝って来い。」

「へっ?いやあの親父、話があるん「いいからとりあえず謝って来い!」

うしおが全てを話す前に紫暮がうしおの母・須磨子が居る座敷へと
雷信まで連れて行く。謝るのに連れて行く意味はあるのか否か。

そして須磨子の場所まで行くとうしおが放り出された。

「うしお・・・!!」

「か、母ちゃん・・・遅くなってごめんなさい・・・」

「いいのですよ、ちゃんと帰ってきてくれたのだから。」

「え?」

この様子だと紫暮も須磨子も全て分かっているようだ。

「えっと・・・・、あの、その・・さ、俺ちょっといろいろあってさ
一回死んじまったのよ・・・。そんでさ、ちょっと妖になっちまて・・・
帰ってきていいのかなー・・・とか思ってたからさ・・・その、」

「馬鹿モンが。」

「は?」

うしおが間抜けな声を出す。

「たとえお前が妖になろうとなるまいとお前が
このオヤジ様と須磨子の息子であることに変わりはないだろう。」

「あ・・・」

「そうですようしお。妖が人と共に暮らせぬかというと
そうとも限らないでしょう?それにやっと私は主人や子供と一緒に
暮らせるようになれたのです。それをうしおは私の幸せを
壊したいのですか?」

「え、いやそんなんじゃ・・・・」

須磨子がうしおの手を両手でぎゅっと握り締める。

「ならば、ここに居なさい。ここは貴方が育った場所であり
これからも貴方が日々を過ごして行く場所です。ね、うしお」

「・・・ぅ、ん・・・。うんっ・・・!!」

須磨子達の言葉で家族から受け入れられないかも知れないと言う
不安がなくなったのか涙がボロボロ出てくる。
雷信もその様子を見て安心したようだ。

「とら殿」

「あ?」

急に紫暮がこちらへきたかと思ったらかがんでこちらの耳くらいの
位置で小声で話し出した。

「とら殿はうしおに憑いているのだろう?」

「お、おう・・・。それがどうしたってんでぇ。」

「ならもう、妖になってしまったのだ。いっその事
あの愚息を嫁にもらってやってくれや。」

ごふぅっ!!!

「はあぁっ!!?」

上げた声があまりにも大きかったのか潮たちが
目を丸くしてこちらを見ている。
それを気にしてか紫暮が言い訳を言う。

「いや、気にすることは無いよ。ただとら殿にちょっと
庭の掃除を手伝ってもらえないかと思って言っていただけだ。」

そっちのほうが幾分かましな気がする。
うしおを嫁に貰えだと、ありえねぇ。
あいつ男だろ。それ以前にまだガキだろ。
知らないうちに潮たちと離れた場所へ連れて来られていた。
そして先ほど話していた話の続きをする。

「別にいいじゃないか。減るモンでもないだろう?」

「あのなーっ!わしゃ妖だぞ!誰が嫁なんぞとるか!」

「・・・じゃあ、あの雷信とか言う男の方にやるか。」

    ピクッ・・・

「あやつなら喜んでうしおを貰ってくれるだろうなぁ。」

   ピクピクッ・・・

「うしおももしかしたら良いと「おい親父!!!」

ガッ と勢いで紫暮の胸倉を掴む。

「なんだね、とら殿」

「わしがうしおを貰ってやらぁ!」

「妖は嫁は要らないんじゃなかったのか?」

「あぁ?!んなの関係ねぇんだよ!貰ってやるっつってんだから
素直に渡しな!!」


そこまでいってようやく自分が紫暮に乗せられたと気が付いた。
だが時すでに遅し。

「そうかそうか、とら殿がもらってくれるか。
ならこのオヤジ様も安心していつでも死ねるなぁ。
あの愚息の心配をせんでいいからな。」

めちゃくちゃいい笑顔で笑っていた紫暮と
頭を抱えてうずくまっているとらが居たとか。



「おいとらどうしたんだよ、今日なんかお前おかしいぞ?」
「るせぇっ!!てめぇのせいだからな!くそっ・・・!!」
「はぁ?何がだよ。ちゃんと話せよ。」
「ほっとけっ!!」
「何なんだよ・・・とらのやつ・・・あ、雷信。ちょっといいかー。
明日ちょっと出掛けるんだけど連れてって「雷信てめぇさっさと帰れ。」
「はっ、はいっ!!ごめんなさいぃっ・・・!」

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で、こんな落ちでした。でっていう。
今思い出したけどやおいってやまなし・おちなし・いみなしの
意味なんですよね?なのになんでBL限定でやおいって使われてるのか
ちょっと不思議でなりません。
べつにBL限定じゃなくてもGLでもノーマルでもいい気がしますが。
とらと知らないうちに結婚させられてて妻にされてるうしおですね。
なんだかんだいいながらとら何気に喜んでたりしたらいいよ。
もういっそ食われちまえ。
とらうしいいよとらうし。そして雷信とばっちり。
紫暮と須磨子のしゃべりとか一鬼のしゃべりとか口調が
にねぇようおうおう!!くそおおおぉぉぉぉっ!!
おまけながくてすんません。