無重力の海で

日記とか絵の制作過程とか好きな歌詞を乗せたり好きな動画紹介したりするだけのブログ。

偶然なんかじゃなく、必然の (2)

前回の続きです。ちょっとグロいかも?




ガツッ  ゴリッ  バキッ 

室内に血の臭いを漂わせ骨を噛み砕く音がする。
下には後で食べるのであろう腕と頭が落ちている。

ゴキッ・・・・

骨を食べ終わり次の食べ物である腕を拾う。

ピチャッ・・・ ピチャッ・・・

腕の切り口を味わうようにして舐める。
そして肉を徐々に噛み締めながら食べてゆく。

ブツッ・・・クッチャクッチャクッチャ・・・ゴクンッ・・・

喉元を血の味が満たしてゆく。
ゆっくり・・・じっとりと這うように血がつたって落ちていく。

腕を2,3口で食べ終え、最後に残された
―頭を手に取り、その顔をじっと見つめる。

「・・・ばかうしおが。」

昔の自分なら、躊躇うことなく食べれたのに。
この者との間の絆が出来る前なら、よかったのに―

最後に頭を噛まずに飲み込む。
その者の顔に傷を付けぬ様に。

食べ終わり今自分が食べた人物の部屋を見回す。
あの者が居た頃と違うように思えるのは
暖かさが無く、そして前より静かで広いということ。
たった一人居なくなっただけで
世界はこんなに変わるのかというくらい
その部屋は静かだった。

「・・・これでよかったんだよなぁ・・・うしお・・・」

誰も居ない部屋で一人空間に話しかける。
返事は来るわけも ない。
その事実を認めたくなくとも、認めざるを得ない。
ギリッ・・・・と下唇を噛む。

「ぅ・・・ぉお・・おぉおぉぉ・・・
うおおぉおぉぉおおおおっ!!

叫びながらそこら一帯を切り刻む。
だが誰も止めるものは無く、ただあるのは静寂のみ。

「・・・ぉ、ぉぉ・・・ぁ・・」

昔好きだった仲の良い兄弟を助けられず
そして今度は1度死してもなお、
この世に戻ってきて守りたかった者すら守れなかった
己に憎しみと嫌悪を抱く。
なぜあの時もっと早く帰って来なかったのか。
なぜあの時出かけていたのか。
なぜあの時、この者から離れたのか・・・。
後悔ばかりが残る。

・・・もうここに居ても意味が無い。
だって本来取り憑いていた少年を食う為に
自分はここに居たのだから。
その少年はもう今は自分の腹の中。
だから、ここに居る意味は無い。
少年との思い出の詰まったこの場所に・・・

「・・・東の妖たちが居る遠野のマヨヒガにでも行くか・・・」

最近はもう妖たちは石から戻って来ているらしい。
どうやってこの国を支えているのかは分からないが。
そこに行けば少しは気が紛れるだろう。
きっと少年のことについて聞かれるのだろうが。

「・・・じゃあな、」

一人誰も居ない部屋に向けて別れの言葉を言う。
そして名残惜しそうに部屋を離れた。



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やっとかけたぁー。ちょっとどころじゃなく
結構グロかったなとおもったり(そこまでないかな?)
小説やっぱ難しいよ・・・orz書ける人を尊敬する。
これから遠野の妖達(雷信・かがり・イズナ・一鬼とか?)
がでますー。口調とかがんばって似せなくちゃ・・・!
出来れば十郎もいつかだしたいなぁ。